家庭でまだフィルムカメラが使われていたのはいつ頃まででしょうか?
家庭で差はあると思いますが、大体20年位前じゃないかと思っています。
だとすると、使用期限が切れて二十年位経ったフィルムが日本中にたくさん埋蔵されているという事じゃないでしょうか。そんな行き場を無くしたフィルム達を、今使おうとすると、どうなのでしょう。
全く写らないのか、それともある程度は写せるのか、気になるので試してみる事にしました。
目次
使用したフィルム
現在は消滅した写真フィルムのブランド、Konica(コニカ、小西六、サクラカラーなどと呼ばれました)のカラーネガフィルムを2種類使用しました。いずれも約20年前に使用期限切れとなり、室温暗所で保管されていたものです。
1.Konica CENTURIA 100 (ISO 100)
2.Konica 素肌美人(ISO 200)
使用したカメラとレンズ
PENTAXの世界最小AFフィルム一眼レフ *ist
smc PENTAX-DA 40mmF2.8 XS(通称ビスケットレンズ)
Schneider Tele Arton 90mm F4(Kodak Retina 用デッケルマウントレンズ)
撮影結果
全般
まず驚いたのが、どちらのフィルムもまがりなりにも撮影した被写体がフィルムに記録されていた事です。何しろ20年というと、期限切れの時生まれた赤ん坊が成人式に参列できるほどの長い時間ですので、ほとんど何も写らない事も覚悟していただけに嬉しい結果でした。興味深い事に、同じメーカーの同じ頃のカラーネガフィルムなのに、CENTURIA 100と素肌美人とでその色合いが大きく異なっていました。CENTURIA はブルーの色合いが強く、素肌美人はマゼンダ寄りの色合いが強い結果でした。20年前の正常な状態とは今となっては比べようもないのですが、CENTURIAは風景写真、素肌美人は名前の通り、ポートレート撮影を想定したカラー特性の設定だったのではなかったかと想像出来ます。
CENTURIA 100
ブルーの色合いが強く出ています。フジフィルムのグリーン寄りの色合いとも異なり、当時のユーザーは好みによりフジとコニカとを使い分けたのかもしれませんね。
素肌美人
マゼンダ寄りの色合いが強く、フィルムのコマによっては強烈なマゼンダ色となっていました。ポートレートで肌の色合いを美しく再現するための、いわばKODAK Portra的なフィルムを目指していたのかも知れません。
まとめ
何しろ期限から20年も経過しているフィルムですので、こんな撮影と考察をしていると往年のコニカフィルム愛好者からお叱り受けるかもしれませんが、せっかく譲り受けたフィルムですので、また別の機会にも撮影したいと考えています。今回の撮影では全体的にボヤっとした霞んだ仕上がりで現像が上がった傾向があり、適正露出のままの撮影だと感光材劣化にともなう露光量不足だった可能性も考えられます。次回は+2くらいオーバーの露出で撮るともう少し良い結果が得られるのかもしれないです。Lomographyなどは新品なのに紫色に写るフィルムをわざわざ販売していますし、こんなフィルムの楽しみ方もあっていいのかなと考えています。
本日のおまけショット