Foto Anthem

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Minolta 最後のフラッグシップ:Sony じゃない α-7 をTokina銘レンズで味わう ①

α-7と言えばミラーレスカメラで売り上げトップを走るSonyを代表するカメラですが、自分の所有するα-7は Sony製ではありません。

本日紹介するカメラはSonyに移行する直前のMinolta(正確には Konica Minolta)がカメラ事業の総仕上げとして世に送り出したフラッグシップ機、α-7 digital です。

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今時の世代の方は、もうSony製カメラの母体がMinoltaだったなんて事は知る人は少ないかも知れませんね。中堅カメラメーカであったMinoltaが中堅写真フィルムメーカーのKonicaと対等合併し、Konica Minoltaとなったのが2003年、そして翌年2004年には渾身の力を入れて生み出した初のデジタル一眼レフ α-7 digitalが発売され、翌年2005年のカメラオブザイヤーとして表彰されました。

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ちなみにこの年の審査員特別賞はNikon 最後のフィルム一眼レフ、Nikon F6だったみたいです。デジタル機とフィルム機がクロスオーバーする時代だったんですね。この頃のデジタルカメラって写りもそうですし、操作感もフィルム機を意識した仕上げのものが多くて好きですね。

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2005年ってどういう年だったろうとヒットチャートを振り返りました。チャート上位を見るとJ-POPがまだ力を持っていた最後の頃みたいですね。2005年末にはAKB-48がデビューし、翌年2006年からはAKB-48と、あと嵐がヒットチャート上位を独占する事になります。

2005年ヒットチャート

1位 修二と彰:「青春アミーゴ

2位 ケツメイシ:「さくら」

3位 Mr.Children:「四次元 Four Dimensions

4位 ORANGE RANGE:「* 〜アスタリスク〜」

5位 GLAY×EXILE:「SCREAM」

オリコンチャート2005より)

ここ数年のコロナ禍以降は揺り戻しなのか、力のあるJ-POPアーティストが評価されるようになって来ている雰囲気を感じますね。

社会世相的には2005年は小泉劇場の始まった年だったようです。小泉チルドレンとか刺客とかが流行語でしたね。

そして息つく間もなく翌2006年、Konica Minoltaは突然カメラ事業から撤退する事を発表し、SonyにMinoltaの「α」魂が引き継がれる事になりました。現在の Sony α-7, α-9 などに「α」魂が引き継がれた訳です。自分もこの2機種のみはSony製の中でも特別な思い入れを感じます。

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さて、話を本題に戻して、今日ご紹介するα-7 digitalです。下の写真でSIGMA SD15と並べているのは実はこの2機種、使用するバッテリーパックが共通なんです。ですので自分にとっては好都合な点です。SD15の方が大分後の発売ですので、SIGMAにとってはKonica Minolta用のバッテリーを利用しやすい事情があったのかも知れませんね。

α7 digital と SD15

α-7 digitalの時代はフィルムとデジタルがクロスする時代という事で、α-7 digitalのデザインはペンタ部のロゴ部分以外はほぼMinoltaのAFフィルム機 α-7とインターフェースが共通です。軍艦部のデジタルパネルも無く、デジタル機っぽくなくて格好良いです。

フィルム機のα-7はウレタンコーティングの経年劣化が酷いらしくベタベタになるらしいのですが、デジタル版の方はそんな問題も無く、定評のあったα一桁シリーズの優れたインターフェースと世界初のボディー内手ぶれ防止装置を実装。現在でも使っていて失望させない仕上がりのカメラです。

現在の視点からすると高感度に弱い事や少ない画素数(600万画素くらい)といった点はあるのですが、フィルム機を意識していた時代のCCD独特の描写、ポジフィルム的な狭いダイナミックレンジなど逆に現行デジタル機では味わえない魅力を持っています。

装着したレンズはこれまたAFフィルム機時代の(元)高級レンズ、Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8です。フードも含めて縮緬塗装の金属ボディ。凄い所有感と重量です。

α-7 digitalAPS-Cフォーマットですので、フードには少し下駄を履かせて深くしています。

Tokinaというメーカーはポートレート域はゆるふわの描写を好むメーカーで、カリカリ思考のデジタ時代はマイナーになってしまいましたが、逆に現代ではなかなか味わえないビンテージな写りをするところがユニークです。

 

作例

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

望遠端、絞り開放です。ビンテージレンズの写りですね。古のポートレートレンズの雰囲気を感じます。これは室内撮影ですが、外で光が強い場合はパープルフリンジが乗ってきます。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

望遠端開放。Bokehも綺麗。ふわっとした感じです。室内光だと開放でも良い感じ。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

外光だと少し絞った方が写りが安定します。F4くらい。Bokeh綺麗。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

光が強いとどうしても絞ってもフリンジが出ますね。相変わらず綺麗なBokeh。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

ロープでお休みの赤とんぼ達。背景溶けてますね。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

この色、CCD機らしい色合いですね。好きですよこれ。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

無観客でも炎天下で頑張る野球少年を背景に。絞るとシャープですね。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

少し絞り込んで何気フォト。これは昨日で無く1年前のファーストショット。この頃はこのレンズの魅力に気づいていなかったですね。とっても懐かしく見返しています。

Konica Minolta α-7 digital / Tokina AT-X PRO 80-200mm F2.8

これも1年前のファーストショット。懐かしい。外光で絞り開放だとベス単ワールドですね。ボヤー。Bokehも不穏な感じ。不思議なレンズです。

ビシバシとシャープなレンズももちろん良いのですが、不思議なレンズに惹かれるこの頃です。