前回EOS Kiss X7で撮影に持ち出した Daguerreo-type Achromat 64mm ですが、やはり35mmフルフレームでの写りを味わいたくなり、EOS 5Dに装着して散歩撮影に出掛けました。
やはりこのレンズは白ボディーのX7の方が似合いますね。今回装着した5Dはいまやビンテージとも言える、初代モデルです。ミラー開閉音の安っぽさとボッテリしたサイズ感が欠点ですが、この機種、ミラー外れは必発の不具合なのでその辺りはコスト上の妥協があったのでしょうね。写りについては今でも立派なものです。
絞りプレートは基本F5.6とF6.3のArtプレートを選択しました。なので今回のDaguerreo-type Achromat 64mmの使い方としては、安定指向の写りとartisticな写りのバランス期待しての撮影でした。
F5.6。真ん中辺りは安定した写りです。一方で、さすがにフルフレームだと周辺部は非点収差(ぐるぐるbokeh)が現れますね。そこまでひどくはないので、真ん中の合焦域が浮き立って見える感じです。このレンズの設計者の思想通りの写りと言えるのではないでしょうか。
樽形の歪曲収差が出ているのが良く分りますね。これを見て、けしからんと思う方はいないと思いますが。
登った階段を今度は駆け下りるわんこ。不思議な立体感を感じるレンズです。
絞りをF6.3 Artプレートに換えてマクロ的に使用。Artプレートのbokeh に現れる模様は好みが分かれるところかと思います。どちらかというとArtプレートは風景向きかもしれません。
風景だと絵画的になりますね。
フードを装着していても、少しでも太陽向きの方角になると乱反射によるベール(フレア)が乗って来ます。ポートレートで光を自在に使うと個性的な作品になりそうですね。自分の場合は撮影相手がわんこだけなのがちょっと残念。
乱反射でベールを纏っても、フォーカス面はしっかり芯があります。
おっと、これは慌てて絞りプレートをレンズに差し込まなかった時の撮影です。なのでF値はF2.9以下となります。それにしても絞りプレート無しの素通しだと各種収差のオンパレードです。前方の車の屋根と左側セグウェイライダーのヘルメットに不思議な光の傘がw。こんな写りのレンズ他にありませんね。
レンズ面はマルチコートなので意外とゴースト耐性はありそうです。でもビンテージレンズらしい、虹色のゴーストは出してくれました。絞り開放だともっとド派手なゴーストが出るのかもしれません。
このレンズ風景は面白いですね。真ん中は浮き立って、背景は絵画風になりました。
Art模様がはっきり出てしまうと好き嫌いが出る写りですね。梅の花やつぼみが太陽模様になっちゃいます。
やはりこれくらいの距離が良いでしょうか。
いずれ他の絞りプレートも試したいです。