前回の写真散歩で使った 初代の Voigtlander ULTRON 40mm F2 SLですが絞り開放付近のフワフワ感が「Aspherical?」という感じでしたので、気になっていました。
実は現在、同じスペックで三代目の「ULTRON 40mm F2 SL IIs」なるレンズがCOSINAから販売されています。
このレンズ、意匠はまんま1960~70年頃のAuto Nikkorです。ローレット部分にゴム材が採用される前の、総金属製の旧き良き時代のものですね。
COSINAがNikonに意匠使用料を払っているのか気になるところです。完コピですのでw。40mm以外にも当時の高性能標準レンズの定番焦点距離58mm、あと90mmと28mmのラインナップがあります。これでもし最後に135mmくらいの望遠を出してもらえれば感涙ものです。
さて、自分もNikon Df用にこのCOSINAレンズ一本は欲しいと思っておりましたが、50mm、100mmの焦点距離は当時物の状態の良いAuto Nikkorを持っておりますので、COSINAのラインナップからは、小型で寄れる、ULTRON 40mmを選んで購入しておりました。
意外とほんわか写りだった初代 M42マウントのULTRON 40mm F2 SLと比べてみたくなり、本日Dfに装着して持ち出すことにしました。
ごらんの通り、まんまNikkorです。当然、シルバーリムモデルを選びました。「VOIGTLANDER」の刻印よりも「NIPPON KOUGAKU」の刻印が似合いそうですね。
フードは手頃なNikon純正が例によって行方不明だったので何かビンテージレンズ用のアルミフードを装着。ちょっとNikkorらしさが弱まりますね。やっぱりこのデザインには光沢ブラックのフードが似合います。
焦点距離40mmなので、Canonの40mmパンケーキ用のフジツボ型フードを着けてみました。これも似合いますね。でもケラレが生じて使えませんでした。残念。
実はDf は発売時に実物を見て、質感に失望して買わなかったのですが、Nikonが一眼レフを事実上撤退するタイミングで、Nikonで唯一無二となるスチームパンク一眼レフになる事がわかりましたので入手しました。
パーツや素材をFUJIFILMのビンテージラインくらいにこだわれば、たとえ売れなくても歴史に残る名機になったのになと改めて感じますが、いずれにしてもDfを世に出した後藤氏は凄い方だと思います。Zマウントだと、たとえどんなに似せても「・・風」モデルになりますので。
シャッター音もPENTAX K-1とはまた違った官能を感じさせるもので、何回でもシャッターを切りたくなります。
作例:
さて、作例です。
絞り開放(F2)。ある程度、予想はしていましたが、全く破綻ないですね。初代の開放フワフワとは一線を画します。けれどもあの初代の、絞りによって激変する描写もいかにもビンテージレンズで個性だととらえています。逆に言うと、この三代目は良い子優等生。
絞り開放続きます。自分、基本開放ばかです。
まあハーフサイズのK-01とフルサイズのDfの違いもあるとは思いますが、絞り開放でも合焦部がきちんと解像していて驚きます。安心して撮影出来ますね。Dfのフォーカスエイドも使い易いです。
最短撮影距離が25cmなので結構寄れます、さすがにマクロ域だと絞り開放だと周りがボヤッとなってきます。
これは作画を考えて少し絞ってF2.8。今日は日向は暖かかったな。
なんと、桜の蕾が開いてきていました!と言っても、これは2月に咲き始める「寒桜」。でも立春の日の今日らしい風景でした。これから段々と春を感じる風景が増えてくると思います。Bokeh、ちょっとカタいかな?
Dfが凄いのか、ULTRONが凄いのか、あまり絞り込んでいないのに良く写っていると思います。
夫婦のように寄り添い重なるケヤキ。良いね。
F4くらい。Bokehがちょっとうるさめかなと感じます。
ある程度予想はしていましたが、フィルム時代の初代と現行の三代目、特に開放付近でだいぶ違う描写と感じました。こちら三代目は如何にも現代のレンズ。高画素のデジタルカメラで使用される事を前提に設計されているようですね。どちらも外観含めて個性的なレンズなので、これからも使い続けたいです。初代も一度K-1で使ってみるかな。