Foto Anthem

Anthem for myself, my family, and every photo-lovers

旧いデジカメで仮想フィルム撮影を愉しむ:Nikon D70s

旧いデジタルカメラの特徴を活かし、積極的に愉しむ方法を紹介します。

使用したカメラは Nikon D70s。18年前のCCD機です。

www.nikon-image.com

foto-anthem.hatenablog.com

 

D70sで気付いた事:

ある日D70sをISOオート設定で室内撮影すると、ISOが自動で上限値の 1600 に設定されたのですが、そのISO1600 で撮影した画像を等倍表示してみると、フィルムをスキャンした時に見られるのとおなじような、フィルム粒子のような粒状のノイズがかかっている事に気が付きました。

D70sは画素数も少ないし、ISO1600でノイズが目立つという事は、これはフィルムシミュレーションがぴったりなカメラなのではないかな」

と、感じたわけです。特にモノクローム写真の場合は粒状のノイズが乗るとフィルムらしさが増すわけです。D70sって、ラフモノクローム写真の雰囲気を愉しむのに良いかも知れません。

 

K-3 III Monochromeで(わずかに)気になる事:

PENTAX から出た K-3 III Monochrome にはモノクローム写真の1つの特長とも言える「粒度」のコントロール機能が載るかな? と期待していたのですが、あくまで RICOH/PENTAX は高精細Monochrome写真を銘打っていまして、粒状ノイズ付加機能は搭載されていません。

先日、赤城耕一氏が K-3 III Monochromeを早速レビューしていて、その中で赤城氏は「・・モノクロ写真にはある程度粒子を載せたいのですが・・」、と述べられており、事実、ISO値アップで少し荒れたモノクロ写真を撮ろうとしたようですが、K-3 III の高感度性能があまりに良くて、なかなか思い通りにはいかなかったようです。

dc.watch.impress.co.jp

 

たかだかISO1600でも粒度が目立ってくる、旧いデジカメ達

工学的な信号処理技術として、今日としては目を覆うべき事なのかもしれませんね。事実、新型モデルが発表される度に人々は新モデルと比較された旧モデルの高ISOでのカラーノイズに失望してきたわけです。

しかしながら視点を変えると、逆に今の工業製品としては再現する事の許されない、貴重な性能(は言い過ぎか。得がたい特徴?)と個人的には感じます。D70sの他にもSIGMAの FOVEONも高感度耐性はないですが、それでもFOVEONの解像感はすごいので、より粒子を感じるフィルム写真っぽく撮りたい向きには、D70sのほうが向いているかもしれません。

豆粒センサーの Coolpix S01も同じような意味において価値があると思うのですが、いかんせん、搭載しているレンズの描写性能があまり良くないので、S01はトイカメラの範疇から抜けきれません。

 

旧いカメラに Raw Therapee フィルムシミュレーション:

自分も無料現像アプリ Raw Therapee の豊富で良く出来たフィルムシミュレーション機能を知らなければ、昨今手が届きにくくなってきたフィルム達の代替えをデジタルカメラのフィルムシミュレーションで愉しもうという考えには至らなかったと思います。

なにしろ従来は現像アプリを使ったのは、基本、「使わざるを得なかった」SIGMA FOVEONだけでしたので。

 

敢えて避けていた、ISO1600 を旧型カメラで積極的に使う:

D70s って中堅モデルとしては珍しくシャッタースピードが高速側 1/8000秒まであるので、 ISO 1600に上げても、レンズの絞り開放付近の描写を愉しむ事が出来ます。ですので、明るい処でも敢えて ISO 1600 を使いました。じゃあなぜ ISO 3200を使わないのかって? 旧いカメラなので、ISO 1600までしか設定がないんです!w

 

それでは、D70sの作例です。

D70s / Otus 55mm F1.4

まず最初にこれは普通に ISO 200で撮影したもの。参照用です。CCD機ですし、まあこれはこれでちょっとレトロな味わいのあるデジタル写真です。

D70s / Otus 55mm F1.4 / NEOPAN 1600

そしてこちらが ISO 1600 で撮影し、Raw Therapeeで NEOPAN 1600 現像したもの。粒状感がいかにもという雰囲気で、ラフモノクローム写真になりました。いや楽しいです。

D70s / Otus 55mm F1.4 / LOMO X-PRO 200

カラー現像でも、色ノイズが強調されないフィルムを選べばなかなか良いです。これもフィルム写真っぽい!個人的には ISO 200よりこちらが好みですね。あくまでフィルム写真をデジタルで疑似撮影するという意味において。

D70s / Otus 55mm F1.4 / NEOPAN 1600

これまで室内撮影は 旧型デジカメの苦手なシチュエーションでしたが、フィルム疑似撮影と考えを変えれば積極的に使えます。

D70s / ULTRON 40mm F2 SL IIs / TRI-X 400

今回は室内撮影ばかりでしたが、今度は屋外でも ISO 1600で疑似フィルム撮影してみたいです。