Foto Anthem

Anthem for myself, my family, and every photo-lovers

金属バケツからのロンジャンクラッシュ折りと寅さんの粋

我が家では「大型連休」と「大掃除」は同義語です。

自宅ラビリンスから遺物たちを救出すべく、奮闘中。

数年来の未踏領域もあるため、バケツと雑巾は必需品です。

プラバケツは嫌いなので金属バケツを使うわけですが、小学校にあるような、カチッとした工業規格品みたいなのもこれまた嫌で、記憶の彼方で見たような「味わいのあるw」インド製を使ってます。

ちょっぴり心許なくなる華奢な薄さと作りで、買った時は新品なのにポタポタと水漏れしていたため、即返品予定だったものです。

ただ私がものぐさなもので、「水くみだけならまだ返品期日まで使っててもいいか」と思って使っていると、最初はポタポタとたれていた滴がいつの間にか見えなくなっている事に気付きました。

理由は不明です。使っていると圧の分散でいい塩梅にこうなる(水漏れしなくなる)のが金属バケツでは常識なのか、それとも何かで目詰まりされてたまたまこうなのか。いずれにしても今は水を入れて長時間放置しても水は滲み出しもしなくなってます。恐るべし悠久の国インド。

バケツと雑巾と「エイヤッ」精神のおかげで、数多くの遺物を救出中です。

その中に、何年も姿だけを見かけていた「ロンジャン」、つまりロンドンスタイルのライダースジャケットがありました。もう今年はこれから夏なので救出しても当分は着れないけれど久しぶりにメンテしてあげないといけません。

とりあえず埃を払い、襟ボアを外して、嬉しくなって襟を「クラッシュ折り」してみました。UKバンド The CLASH のボーカルだったJoe Strummer が革ジャンの襟を立てるときに好んだスタイルだった事から、革ジャンマニアの間では「クラッシュ折り」と呼ばれている折り方です。ロンジャンは襟幅が広めなのでそのまま襟を立ててしまわずに半分折り返す感じで小さめに襟を立てる着こなしです。The CLASHは結構大人な感じのバンドだったので、ロンジャンを着るときは下にはカラーシャツを着て、ボトムはストレートジーンズかウールトラウザーが似合うと(勝手に)思ってます。靴はラバーソールかブーツ系でしょうか。

ところで、この間「男はつらいよ」シリーズを見ていて驚いた事が!

フーテンの寅さんは万年同じチェック柄のスーツを着てますが、その襟を立てて着ている事が多いです。そしてその襟の立て方、なんと、「クラッシュ折り」じゃないですか!

結構若い頃からこの襟の折り方なので、山田洋次監督が「ロンジャンのクラッシュ折りいいな」と取り入れた訳ではないだろうから、昔の粋なお兄さん達に共通した襟の立て方だったんでしょうかね。

それにしても寅さん、年中同じ格好だけどズボンはきちって折り目が入ってるし、襟カラー無しでジャケット羽織っているのに襟元は薄汚れてないし、ポケットにチーフ入れてたり、襟の立て方ひとつにもこだわりがあって、なかなか粋である事に気が付きました。

あ、ちなみに私はロンジャンの「クラッシュ折り」はしない派ですが、寅さんを見てたら、たまにはクラッシュ折りやってみようかなという気に少しなっていたり。