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Tokina Reflex 300mm f/6.3 : お散歩はステルス砲と共に

目次

1:Tokina Reflex 300mm f/6.3

日曜日の写真散歩でサブ機に選んだのは Olympus PEN E-P5 とTokina Reflex 300mm f/6.3でした。Tokina Reflex 300mm は私のお気に入りレンズのひとつですが、世間的にはあまり人気が出なかったようで、現在は生産されていません。

www.kenko-tokina.co.jp

このレンズは電子接点は持っていますがAFは効きませんので超望遠レンズとしての使いこなしは難しい方だと思います。特長はそのステルス性、携帯性にあり、反射式レンズのメリットを活かしてほぼ標準レンズのようなサイズで35mm換算600mmもの焦点距離を稼ぎ出します。

2:ミラーレンズとは

ミラーレンズ(反射式レンズ)は入射光を一端後群のドーナツ状のミラーレンズ(主鏡)で反射して前群のレンズに返し、その反射光を更に前群のミラーレンズ(副鏡)で再び後群レンズのドーナツ状ミラーの内側を潜らせて収差補正レンズを経てフィルム面/センサー面に結像させる事により、短いレンズ筐体で長い焦点距離を稼ぐ設計になっています。

ケンコートキナーホームページより

知られているデメリットとしては

1.2回鏡で光を反射させるのでコントラストが弱くなりがち

2.最初の反射でドーナツ型のミラーを使うので、ボケ(特に光るもの)がドーナツ型になる

3.絞りの開閉機構を持たない(固定の絞り値)

かと思います。

フィルム機全盛時代は各社やサードパーティーからも種々のミラーレンズが出ていたのですがデジタル時代は撮影画像のシャープさが優先されるためか、メーカー純正のミラーレンズは現時点皆無となっています。

私はマイクロフォーサーズのコンパクトさを活かしたこの超小型の超望遠レンズを使わない手はないと考えており、良く写真散歩に持ち出します。出会った鳥さんを気軽に超望遠撮影したり、見かけた虫や小動物をマクロ撮影する事に大活躍です。

3:作例

このレンズを使って世間のブログ等でアップされている皆さんの写真を拝見すると確かにボヤッとした写りの作品が多いですが、光線の状態を選んだり、CPLフィルターで制御すれば案外シャキッとした写真が撮れます。いくつか作例を載せておきます。

Olympus E-P5 / Tokina Reflex 300mm f/6.3

Olympus E-P5 / Tokina Reflex 300mm f/6.3

Olympus E-P5 / Tokina Reflex 300mm f/6.3

4:ミラーレンズを使いこなす心得

1.背景を考える

いいなと思う被写体に出会ったとしてもミラーレンズを使う場合は必ず背景がどうなっているかを通常のレンズ以上に考える必要があります。視界内の背景に強い光源がある場合はミラーレンズはその光の影響を受けやすいく、直ぐにもやがかかったような写りになってしまいます。

また、特長となるドーナツ状リングボケですが、反射して光る背景がある場合ははっきと現れますのでリングボケを避けたい場合は撮る方向を変えたりすると良いかもしれません。逆に積極的にリングボケを楽しみたい場合はそのような背景を選びましょう。

2.光を制御する

光線の状態により極端にコントラストが低下すると書きましたが、CPLフィルターを使って入射する光波長の向きを整えることによりかなりコントラスト低下を改善させられる事があります。但し、CPLフィルターを使うとISOを上げるか、あるいはシャッタースピードを落とす必要がありますので、ボディ内手ぶれ機構があるカメラでも三脚や一脚が必要になるかも知れません。自分はそんな時はしっかりしたミニ三脚を広げて、胸と肩とでカメラを三点固定して息を止めて撮影しています。

光をレンズ内で反射させるという機構上、乱反射した光が入ってくるような状況、例えば光の当たった川面を背景にしたような場合はCPLフィルターで光を整えてもシャキッとした写真は難しいです。そのような場合どうするか、ですが、潔く諦めますw。

5:まとめ

超望遠撮影では通常のED望遠レンズの方が遙かに簡単にシャープな写真が撮れるのは当然なのですが、このコンパクトさと時々決まった時のシャープな写りを見ると私にとっては手放せない、お散歩特化型のステルス砲です。高い歩留まりを期待する場合は使わない方が心穏やかに過ごせると思いますw。