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Mamiya レンズ交換式 二眼レフ C220, C330 備忘録(最終章:後篇-②)

Mamiya の プロ御用達 二眼レフとしてCシリーズという長寿モデルがありました。

Cシリーズの特長としては、なんと言っても世界唯一のレンズ交換式二眼レフであった事です。数年ぶりにこのシリーズの最終進化モデルである C220 C330 を使おうとしたのですが、すっかり使い方(お作法)を忘れてしまっていて、フィルムを無駄にしてしまいました。反省としてブログにこのカメラの備忘録を記録します。

 

前篇(主にレンズ交換手順)、後篇①(主にフィルム装填手順)に続き、今回は最終回の後篇②という事で、いよいよ撮影手順です。

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  • 備忘録:フィルム装填後の撮影手順(C220をベースに)

今回も所有する一番旧いモデル、C220をベースに、適宜最終モデル(C220f、C330s)の情報も付け足しながら説明します。

  1. フィルム送り

    前回の後篇①でブローニーフィルムをフィルム室に装填し、裏ふたを閉めるとフィルムカウンターが自動的に「0」にセットされました。この辺りの機構は一眼レフと同じですね。これでフィルムの巻き上げが可能になりますので巻き上げます。

    一眼レフやレンジファインダー機のような巻き上げレバーではなく、ボディ右側面の巻き上げノブを時計回りに回してフィルムを送ります。

    上の写真の左上が巻き上げノブです。時計方向に回すとフィルムカウンターが動き出し、「1」のところで”カチッ”と巻き上げのストッパーが効きます。

    旧~いタイプの二眼レフはこの巻き上げストップ機構が無く、裏蓋に開いたのぞき窓からフィルム遮光紙にプリントされたフィルムカウント値をのぞき見しつつ巻き上げる必要がありましたが、Cシリーズは割とモダンな二眼レフですので少し便利になっています。

  2. 絞り・シャッタースピード設定とシャッターチャージ

    ベーシックモデルのC220はセルフコッキング機構(一眼レフやレンジファインダー機のように、フィルム巻き上げ作業と同時にシャッターチャージされる機構)を持たないので、フィルムを巻き上げた後に自分でシャッターチャージする必要があります。

    二眼レフはレンズにシャッター機構が搭載されています。下側のレンズ(テイクレンズ)の左側にシャッタースピード設定リングと絞り設定リング、およびシャッターチャージのレバーがあります。

    まず最初に絞りリングとシャッタースピードリングを回して所定の撮影条件を設定した後、上の写真のようにシャッターチャージ用レバーを押し下げてシャッターチャージします。この手順を逆にして、シャッターチャージした後にシャッタースピードを変更するとシャッター故障の原因になりますので必ず「絞りとシャッタースピード設定」⇒「シャッターチャージ」の順番は守ります。  

    青いマークの付いたチャージレバーが下に押し下げられています。この状態でシャッターチャージが完了。
  3. ピント合わせ

    ボディ下側の左右にあるピント合わせ用のノブを右側は時計方向に(反対の左側だと反時計方向)回すと蛇腹部分が繰り出してピント合わせが出来ます。写真のように普通のレンズ固定式の二眼レフに比べてとんでもなく蛇腹を繰り出す事が出来ます。但し、接写撮影ではパララックス差(ビューレンズとテイクレンズの視差)は酷くなるので撮影にはコツが必要です。

     

    ピントの調整はルーペ付きのウエストレベルファインダーを上から覗きこみながら、スクリーン面で確認しながら行います。上の写真はC220のファインダーを使って、隣の C330にフォーカシングしている時のものです。スクリーンにスプリットプリズムがある訳ではないので、精度の良いフォーカシングには慣れが必要です。

  4.  

    シャッターリリース 

    ピント合わせが完了したら、カメラ本体の先端部分にあるシャッターレバーを親指で静かに押し下げます。このレバーはレンズシャッターのボタンと連結しており、「カチャッ」とレンズシャッターが切れます。
    シャッターチャージレバー(青いマークがついていたレバー)は元の位置に戻ります。

    シャッターレバーを前側から見たところ。シャッターレバーを親指で押し下げるとシャッターレバー真ん中くらいの大きな突起部分がレンズ側のシャッターレバーに連結している事が分かります。

    何かの不具合か操作ミスでカメラ本体のシャッターレバーが動かない時は直接レンズ側のシャッターレバーを押し下げれば、いつでもシャッターは切れます。

    ちなみに最上位モデルの C330にはボディー前側底部にも独立したシャッターボタンがあります。こちらは一眼レフとかと同じタイプのシャッターボタン形状です。

    ちなみに最上位機種の C330 は巻き上げノブもレバー式で、このレバーはセルフコッキング機構を備えていますので、一眼レフやレンジファインダー機同様にフィルム巻き上げ動作と同時にシャッターチャージが完了します。

  5.  その他備忘録

    撮影に必要な手順の備忘録としては以上ですが、その他項目としてはヘリコイド(蛇腹)部分に現れる撮影倍率情報でしょうか。

     

    昔の一眼レフ用のズームレンズには焦点距離被写界深度の関係を表わした放射状のカラフルな表示が刻印プリントされていました(Zoom Nikkorなど)。

    Zoom Nikkor の場合はf値毎の被写界深度が刻印されていますが、Mamiya Cシリーズのものは被写界深度ではなく、撮影倍率です(フィルム上に写されるサイズともとの被写体のサイズ比)。上の写真は結構ヘリコイドを接写側に繰り出した状態です。レンズの焦点距離別に撮影倍率と撮影距離との関係がプリントされていますが、撮影距離1m程度までしがグラフの目盛りがありませんので、このヘリコイド繰り出し量だと多くの焦点距離でカーブが下に振り切っているのが分かります。
    もちろんこの状態でどの焦点距離のレンズでも撮影は可能ですので、その時の撮影倍率がヘリコイド基部の網掛け部分にプリントされています。この状態だと55mm/65mmレンズだとなんと撮影倍率4倍の超マクロレンズになります。但し、パララックス差が酷くなるので、専用のパララックス補正器具が必要になります。

    C330にも同様の撮影倍率表示機能がありますが、より洗練されてのぞき窓表示になっています。但し、より難解な機能になっています。
  • まとめ

三回にもわたって記録した Mamiya Cシリーズ備忘録ですが、まだまだ書き足りない部分もあります。パララックス補正の事とか、ディオプターレンズの使い方とか、各レンズの事とか、小冊子が一冊書けそうですね。追々、気が付いたら番外編の備忘録を記録するかも知れません。

  • 本日のおまけショット

C220 / SEKOR 135mm F4.5 / PRO 160 NC