昨日のブログで世界最小のフルサイズAF一眼レフ PENTAX *ist について紹介しました。
ブログ中で紹介した、フォトジャーナリスト赤城耕一氏がPENTAX *ist を詳細に解説したコラム記事を私も拝読し、いくつか補足説明をしておいた方が良いと考えましたので本ブログに記録しておきます。少しマニアックな内容になりますので、ご関心ない方は目次最後の「本日のおまけショット」だけ覗いて行ってやって下さいませ。あと、「ペンタキシアン」の方には多分ご承知おきの内容になりますので、ご了承下さい。
目次
補足1 *ist で使用できるレンズについて
一眼レフをAF(AutoFocus)対応とする時代(1980年台後半)に、当時の各カメラメーカーが取った選択肢は主に以下の2つでした。
1.現在のマウントを継続し、工夫して必要な電子接点をレンズ側とマウント側に組み込み、ユーザーの過去のレンズ資産も活かせるようにする。
2.現在のマウントを捨て、今後の電子制御に柔軟に対応出来る新しいマウントに刷新する
1.を選択したのがNikon とPENTAX、2.を選択したのがCanon とMinolta(現Sonyカメラ事業)でした。
1.を選択したNikon もPENTAXも理屈上は各々「不滅のFマウント」「不滅のKマウント」を掲げたわけですが、現実問題としては「この機能に対応出来るのはこれとあれと」という、対応表を見比べなければならない複雑系課題をカメラ本体とレンズ両方に引き継ぐ事になりました。
Nikon 、PENTAX、各々について小冊子が書けるような内容ですので、本ブログは本題に戻り、*ist で使用できるKマウントレンズについて結論だけをリストで示します。赤城氏のコラムでは複雑な説明は避け、万人が間違いなく楽める事を配慮されたのでしょう。シンプルな選択肢をしめされていました。
1.何の問題もなく使えるレンズ
◎絞りリングのある「FA」レンズ(FA Limitedシリーズが有名です。FA35mm、FA50mmも現行品です)
◎絞りリングの無い「D FA」レンズで「ボディAF(カメラ本体からのAF制御)」対応のもの(自分のD FA Macro 100mm F2.8がこれに該当します。他に Macro 50mm F2.8もあります)
◎AFフィルム機時代の、絞りリングのあるPENTAX、各レンズメーカーのAFレンズ(いずれもかなり安価で入手出来ます)
2.事実上使えるレンズ
◎APS-Cデジタルカメラ用として発売されたが、レンズのイメージサークルがフルフレームをカバーしているレンズ達(いずれも現行品はボディAF)
DA35mmF2.4AL、DA40mmF2.8XS、DA50mmF1.8
HD DA 40mmF2.8 Limited、HD DA 77mmF2.5 Limited
◎単焦点のDA★でボディAFにも対応しているレンズ(注:SDM(レンズ内モータ)は作動しません)DA★200mm F2.8 SDM、DA★300mmF4 SDM
3.AFでなければ使えるレンズ
絞りリングに「A(Auto)」ポジションのあるKマウントマニュアルフォーカスレンズ
絞り優先モード(Av)で使用できます。
4.機能制限はあるが使えるレンズ
絞りリングに「A(Auto)」ポジションの無いKマウントマニュアルフォーカスレンズ
マニュアル露出モード(M)で使用できます。
5.ごくごく限られた使い方のみ使えるレンズ(実質使えないレンズ)
最新の電磁絞り制御のD FA、D FA★レンズ達
絞り開放のみ、マニュアル露光モード、マニュアルフォーカスという三重苦でのみ使えますw。
さらにディープな話としてM42マウントレンズ対応問題があるのですが、語ることが多すぎますので本日は割愛します。
補足2 ポップアップフラッシュ問題?
(赤城氏のコラムを読まれていない方はここは読み飛ばして頂いて結構です。)
赤城氏がコラム中で *istのストロボ(フラッシュ)のポップアップについて
”ストロボ発光部。他のMZ系ボディのポップアップより、丈夫そうなんですけど、今後はどうしようかなあ。もち上げて保管した方がいいのかなあ、このあたりの情報が薄いです。”
と述べられていて、この意味について「ペンタキシアン」の方以外は分らなかったかもしれません。これは *istの前シリーズであったPENTAX MZシリーズ(特に人気のある MZ-3、MZ-5)でポップアップフラッシュの動きを制御するプラ製のギアが強度不足で摩耗破損し、ポップアップフラッシュが使えなくなる問題を懸念された発言です。 MZシリーズでは必発のトラブルでした。
*istについては自分が所有する2台ともそのような問題は発生していませんし、オークションで出品される *istについてもそのようなトラブルを記載した個体を見た経験はありません。もちろん機械ですので、部品の強度を上げたとしても将来的には起きうる可能性は除外出来ません。
以上、万一当ブログを読まれた後に「PENTAX *ist を購入しようかな」という奇特な気持ちになられた方がいらっしゃったとして、その方が間違いないレンズ選びをして頂けるよう、また、自分の備忘録として記録しておきます。