Foto Anthem

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PEANTX Q のトイレンズを使う:レンズの被写界深度を頭にたたき込む

前回のブログで、PENTAX Q トイレンズの難しさを感じたんだけれども、特にQ7 で明るい戸外で液晶画面を見ながらMF・・というのは現実的でない事が一番のハードルかなと思う。

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そこでどうするか。なんだけれども、往年のライカスナップシューターのようにレンズの被写界深度をたたき込んで撮影するしかないか、というのが当面の考察だ。

 

 

被写界深度計算式(近似式)

被写界深度の計算は簡単な近似式が知られているのでエクセルに計算式を入れて計算ツールを作った。「許容錯乱円」とはセンサーの結像面で「点像に結像している」と判断する許容域の直径なんだけど、フィルム時代の粒子サイズをベースに概ね 0.03mmが採用されている。今回はマイクロフォーサーズの基準値 0.015mm を代入した。

計算の際に尺度は合わせる必要があるので、m、cm、mm 等の単位換算はエクセルの計算式で行う必要がある。

焦点距離(H)とはその距離にフォーカスリング位置を合わせれば、 ∞ まで合焦したパンフォーカスとなる位置のこと。その時の前方合焦距離は約 H/2 となる。大変便利な計算式だ。

 

05 TOY LENS TELEPHOTO の被写界深度は意外と狭い

前回撮影に使った、05 TOY LENS TELEPHOTO レンズの数値を作成した計算ツールに代入して計算してみた。

絞り値 F8 という暗いレンズでちっちゃなセンサーだけれど、短い撮影距離だと思っていた以上に合焦範囲は狭いのが分った。 

撮影距離が 1m だと合焦範囲は 0.73m ~ 1.6m だ。ちゃんとフォーカスを合わせるか正確な距離感をつかまないとピンボケ連発になると思う。

撮影距離が 2m になるとだいぶ合焦範囲は広くなり、軽い近景スナップなら気軽にこなせそうに感じる。

問題のパンフォーカス点は 2.7m と近似計算値が出た。その時の前側合焦点は 1.35m 。

よほど近くのものを撮りたい時以外は、2.7m~3m付近にヘリコイドを合わせれば、理論上はパンフォーカス的なスナップが望遠レンズで撮影出来る事が分った。

 

05 TOY LENS TELEPHOTO のヘリコイドリングのベストポジションは?

理屈は分ったけれど、ここで問題は「おもちゃみたいなQトイレンズのヘリコイドリングをどこに置けばいいのか?」ということだ。

ヘリコイドリングには一応目盛りがついているけれど、どの目盛りがどのくらいの距離に該当するのかは全く分らない。そこで今回、おおざっぱではあるが大事な撮影距離目盛りについて確認した。Q7 のよく分らないフォーカスピーキングに基づく合焦確認なので、あくまで「おおざっぱ」に。

①パンフォーカス点の 3m 付近の位置

パンフォーカス近辺 (3m) のヘリコイド位置

ヘリコイドリング目盛りの、濃い色の中間目盛りの左側ひと目盛り半の位置がパンフォーカス点に該当する事が分った。お気軽スナップ撮影に徹する時はこの辺りかやや右側(短距離側)にヘリコイドリンゴを合わせるか、あるいはテープで固定して撮影すると良い結果が得られるという事。

この写真を見て気付いたけれど、レンズに刻印された「Near←」、「→Far」は混乱を生じるものだと思う。あくまでレンズ距離目盛りは左側が「∞」側、右側が最短距離の「27cm」側なので、私のようにレンズの距離目盛りを参考に撮影する人は錯乱することになる。

②ヘリコイドリング中間点の撮影距離

ヘリコイドリング中間位置は 60cm

ヘリコイドリングの中間点の濃い目盛りは位置的に撮影時には合わせやすいのでこの位置の合焦点を確認したところ、なんと、約 0.6m 、つまり 60cm という事で、思いの他近距離位置だった。参考までに、この位置にヘリコイドリングを合わせた場合の被写界深度を計算してみたところ、49cm ~ 77cm だった。めちゃ狭い!慎重な撮影を要求される距離だ。

フィルム時代のスナップカメラではパンフォーカス位置をレンズに目立つマークで示してくれていたんだけれど、このレンズの目立つ目盛りには実用の役割はなさそう。

まとめ

今回、Qのトイレンズの難しさに触発されて初めて自分で被写界深度の計算をしてみてとても勉強になったと思う。この知識に基づけば次回の撮影こそきっと成功する?w