PENTAX Q のトイレンズシリーズも今回が最終回。
レンズは03 FISH-EYE だ。換算焦点距離は 16.5mm 、F値は5.6固定、最短撮影距離は9cm。
このレンズは他のトイレンズ達と同様、チープな作りのMFレンズなんだけれど唯一「トイレンズ」と呼称されていない。理由は不明だが、トイレンズと考えて扱うのが良い。
他のトイレンズ同様に、先ずは被写界深度を計算した。
超広角のFISH-EYEレンズでミニセンサーなので何も考えなくてもパンフォーカス撮影になるかといえばそんな事はない。04 TOY LENS WIDE よりは幾分簡単だとしても。
ヘリコイドが最短撮影距離の時の後ろ側被写界深度は 34cmまでしかない。
うっかりそのまま撮影すると、ぼやけた写真になるという事。
ちなみにヘリコイドリングの目盛りの撮影距離を分りにくいフォーカスピーキングで確認してみたところ、真ん中の目盛りでも約12cm! の超近接撮影距離である事がわかった。一番右側の目盛りまでヘリコイドリングを回すと、仕様上の最短撮影 9cm よりも短くなっているようだ（7cmくらいと感じる）。その辺りはまあ、トイレンズという事で。
焦点距離12cmの時の後ろ側被写界深度は7.68ｍなので、ヘリコイドリングを真ん中に合わせていてもパンフォーカス撮影にはならないという事。思ったよりも気難しいレンズだ。
かと言って、無限遠側の左側目盛りに寄せておけば良いというわけでもない。上の写真の位置が概ね無限遠位置なので、ヘリコイドリングを左端まで回してしまうと完全にオーバーインフとなりボケボケの写真になってしまう。
被写界深度の計算表を見ればわかるとおり、ヘリコイドリング真ん中12cm付近を僅かでも過ぎれば後ろ側被写界深度は無限遠になる。なので真ん中より左側ひと目盛りくらいの位置が間違い無くパンフォーカスとなるベストポジションと考えた。
Qレンズのヘリコイドはスカスカなので、いつも通りパンフォーカス位置で紙テープで固定し、撮影に出掛けた。
さすがのFISH-EYE。全円ではないけれど画角は非日常だ。前方の風景とともに、立ち位置の横の柱の文字まで覆い被さって視界に入った。
遠近強調で、深い青空に吸い込まれそう。
建築進行中のビル街が完成すると街は一変するだろうな。この規模の開発は東京ならではと感じる。
ハレーションは出るけれど、直接太陽光が入ってもこれ位に抑えられているのはトイレンズとして大した物だなと感じた。
朝の出勤風景。足下を見て歩いている人が多い気がする。気持ちは分る。
そんな時は焼き肉に限る！肉は元気の源w。
今回でQのトイレンズの撮影シリーズは終しまい。
