Foto Anthem

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PEANTX Q のトイレンズを使う:04 TOY LENS WIDE

前回 Q7 で被写界深度も計算して検証した 05 TOY LENS TELEPHOTO に続いて、今回は単焦点広角レンズ 04 TOY LENS WIDE を持ち出してみた。

04TOY LENS WIDE 装着

TELEPHOTO 同様、事前に被写界深度とヘリコイドリング目盛りの大まかな距離感をつかんでおかないと使いこなすのは難しいと考えて、まずこの2点をチェックした。

 

被写界深度の計算

04 TOY LENS WIDE の焦点距離は6.3mm、35mm換算で 33mm だ。そして絞りは F7.1 固定となっている。計算した被写界深度を表に示す。

TOY LENS WIDE 被写界深度

例によって近似式で計算してみたところ、パンフォーカス点はなんと 0.37m、37cm だった。つまり、よほど近距離の被写体を狙わない限りは37cmより遠くにフォーカスリングを合わせておくとパンフォーカス撮影になるという事がわかった。

 

ヘリコイドリング目盛りの距離確認

なーんだ。適当に写せばパンフォーカスの写真が撮れるのかと思いきや、決してそうではない。このレンズもやはり難しいレンズなのだ。

なぜなら、Qの TOY LENS はゆるゆるで適当な目盛りで、適当な作りのヘリコイドリングだから。

ヘリコイドリングの目盛りのおおよその距離を、Q7 の見にくいフォーカスピーキングを使いながら確認した。

無限遠 近くのヘリコイド目盛位置

全く驚いた事は、上の写真の無限遠位置の目盛り位置と、パンフォーカス点の 37cm の目盛り位置が、「半目盛り!」しか違わないことだ。

つまり無限遠位置よりも左側にまだ1つ目盛りがあるのは完全にオーバーインフとなり全体がボヤけた写真となってしまう。

近距離側はどうかというと、ヘリコイドリングの真ん中の目立つ目盛りの距離はなんと「10cm!」だった。つまり、このレンズは目盛りのほとんどを超近距離に使ってしまい、スナップ用途の時は37cmから無限遠位置のあいだの「半目盛り分!」

でMFピント合わせをする必要があるレンズということだ。

写真で見てわかる通り、実質そんな幅でピント合わせをするのは至難の業なので、解決策としては、「37cm」を少し越え、無限遠手前のところでレンズを固定してしまうのが良い。

紙テープでヘリコイドリングを固定する

上の写真のようにいい塩梅の位置で紙テープでヘリコイドリングを固定すれば、ただシャッターを押すだけのパンフォーカス撮影が可能となる。

 

作例:

以下の作例は、すべてこのテープ固定のパンフォーカス設定で撮影した。

ただシャッターボタンを押すだけ。デジタル「写ルンです」w。

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

夕暮れに撮影。先週末は連日暑かったけれど、11月に積乱雲を見たのは生まれて初めてかもしれない。形はちょっと崩れ気味。

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

なんとなく色が滲んでカラーでは周辺部がいまひとつなので、モノクローム撮影が向いているレンズと感じる。

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

換算 33mm なんだけど、歪曲はすごい。右のビルは倒れてきそうだ。

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

Q7 / TOY WIDE 6.3mm F7.1

パンフォーカスで、ワイドで、楽と言えば楽な撮影だったけど、苦労して自分で被写界深度計算して、ヘリコイドリング目盛りの距離を測って、やっと辿りつける撮影スタイルだ。だったらスマフォで良くない?というのが正直な感想。

スリープからのロック解除の手間やカメラアプリ起動の手間がないのは若干残されたQ7 のメリットかな。このレンズはいずれ手放すかも知れないな。

次回はTOY FISHEYE レンズを試す予定。