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痛快!冒険活劇「隠し砦の三悪人」

言わずと知れた黒沢明監督作品。しかしなぜか今まで観ていなかった。

七人の侍」「用心棒」こそが黒沢映画と信じて、そればかり観ていたからかも知れない。

隠し砦の三悪人」が Star Wars episode 4 の原案になった作品と聞いてからも、「まさか宇宙戦争と日本の戦国活劇が繋がってるなんて、こじつけだろ?」と決めて、食わず嫌いならぬ、観ず嫌いになっていた。

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140分の長編大作なので、録画を数日かけて観たんだけれど、文句無しに素晴らしい作品だった。何が素晴らしいって

黒沢明監督初のシネスコープ作品。ワイドな画面でアクションシーンの映えること!この点は「七人の侍」を上回っている。これは映画館で観たかった。

②やっぱり Star Wars episode 4 の原案、モチーフだった!これを知るだけで感動ものだった。単に R2D2C3PO だけじゃなく、レイア姫、そしてラストの逆転展開、これって最後にデススターに飛び込んでくるハンソロじゃないか!

③元祖肉体俳優、三船敏郎さん。野性味あふれる肉体でアクションすごい。スタントの部分もあるとは思うけれど、かなりのアクションを三船さん自身が演じ、戦国無双の侍大将を具現化している。敵の侍大将との一騎打ちとそれがラストに繋がる伏線とか諸々・・うーん、これぞ「冒険活劇」だ。

④庶民代表、凸凹コンビの太平と又吉。観客はその小物感に自分たちを投影し、三船を自分たち自身の頼れるアニキとして、この映画の世界に没入する。

⑤城での大規模な奴隷の反乱、騎乗での追撃戦闘、張り詰めた槍の一騎打ち、壮大な火祭りシーン、と長時間で観客を飽きさせないよう、随所に見所をちりばめた黒沢監督の妙技。

これを傑作と言わずして何とするか、という作品で、今まで観ていなかった自分を大いに反省した次第です。

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