Foto Anthem

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レンズ2枚が彩る19世紀の写り:Daguerreo-type Achromat 64mm F2.9

前回紹介した中華レンズYN 50mm F1.8 II 撮影時に EOS Kiss X7 の撮影ファイルを見ていたら、大分前に Lomography のArtレンズ、Achromat 64mm F2.9で撮影していたものを見つけました。懐かしかったので振り返り記録しておきます。

Achromat 64mm F2.9

Achromat 64mm F2.9はカメラ黎明期の19世紀に発明された撮影手法である「Dauguerreo-type」で使われていた二枚構成のシンプルなレンズを再現し、Lomographyが販売しているものです。

microsites.lomography.com

 

en.wikipedia.org

自分のはシルバークロームモデルです。この見た目と金属の質感、Lomographyならではですね。

このレンズの絞りは絞り羽根ではなく、「Waterhouse」式のプレートドロップイン方式という古めかしい方法で調節します。

Lomography ホームページより引用

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発明者のWaterhouseさんって天文家だったようですね。

このWaterhouse式の絞りプレートが通常の円形絞りが6枚、F値4.8~6.3のアート絞りが6枚付属しておりますが、ずぼらなユーザーはどれかを無くしてしまう事必定ではないでしょうか。自分はごらんのように管理しています。

Lomography によりますと、「絞りF5.6以上でシャープな写り」と書いてあるのですが、開放馬鹿の自分としてはまだF5.6以上のプレートは使った事がありません。いずれ使いたいと思いますw。

逆に言うと、「F5.6以下はフワフワソフト」ですよ、と言うことでありまして今日示す作例は全て「フワフワソフト」ばかりです。

このレンズはその単純なレンズ構成のため、下図にある許容錯乱円の範囲が極端に小さく、F5.6以下だとフワフワな結像に見えるわけです。

Lomography ホームページより引用

作例

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

いきなりドリーミーw。絞りは開放、もしくはプレート自体も入れてないのかも知れません。

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

河原で日向ぼっこのにゃんこ。絞り開放。

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

昨年の撮影くらいだったかなと思ってjpegファイルの記録を見ると、2021年1月となっていました。ちょうど2年前の今頃ですね。時の経つ事のなんと早い事でしょう。

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

アート絞り使ってみました。F4.8相当ですが、まだかなりソフトですね。玉bokehがお日様模様に。

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

わんこの背中に小さなお日様がw。F4.8相当

階段駆け登るのをMFで撮影しているので、元々のフォーカス自体、怪しいです。

EOS Kiss X7 / Achromat 64mm F2.9

わんこのめん玉にもお日様が。F4.8相当。

Achromat 64mm 、2年前のこの撮影時以降はお蔵入りしてしまっておりましたので「シャープ」な時の写りがどのような雰囲気になるのかについては、まだ試していません。

余談:

ちなみにDauguerreo-type撮影をテーマにした日本人監督(黒沢清)によるフランス語映画が2016年に公開されていたみたいです。自分は観ていませんでしたが、親子愛と男女愛が織りなすラブサスペンス的な内容、との事。

映画「ダゲレオタイプの女」

www.youtube.com

このブログを書いてこのレンズに纏わる歴史背景を振り返ると、ロマンのスパイスが振りかけられた気持ちです。2年振りに持ち出しましょうかね。