Foto Anthem

Anthem for myself, my family, and every photo-lovers

SIGMA Art レンズで撮る LomoChrome Metropolis TOKYO Edition ③

 

  • 今回は連載の最終回

少し時間が空きましたが、「SIGMA Art レンズで撮る LomoChrome Metropolis TOKYO Edition」第1回、第2回に続いて、今回の第3回で最終回です。

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最終回は2回目の摩天楼築造写真から、再びご近所写真でさらりとながしてw総括です。

レンズは確か再びSIGMA Artシリーズのセンター、50mm F1.4 DG に戻したと記憶しています。

時間が経ちすぎると歳のせいでしょうか、思いのほか記憶に靄がかかっていますね。

SA-9 / 50mm F1.4 DG Art / Metropolis Tokyo

基本解放ばかの自分ですが、近接マクロ的な撮影の場合は少し絞ると良かったかも知れません。枝の辺りの描写がまたFOVEONで撮った時とは違う、絵画的な描写でフィルムならではの面白さですね。この独特の色合いと描写はポートレートに使うと芸術的な作品が撮れそうです。まあ自分の場合、ポートレート写真はもっぱらワンコなので難しいですが。

SA-9 / 50mm F1.4 DG Art / Metropolis Tokyo

Lomoのフィルムでこの解像感は流石のSIGMA Artシリーズの原器レンズです。絞り開放でもコントラスト良くシャープですね。

時期的に早くも懐かしい風景となった「散るサクラ」。花びらが乗っているのはこれからの季節が魅せどころになるアジサイでしょうか。

SA-9 / 50mm F1.4 DG Art / Metropolis Tokyo

SA-9 / 50mm F1.4 DG Art / Metropolis Tokyo

撮影時期は4月中旬だったのでシャクナゲも終わりの時期でした。5月末の現在はもう花の名残も無くなっています。また来年4月の再会を楽しみに。

 

  • フィルム世界を独特のシャープさで描きだすART単焦点レンズ。

様々なレビューで評価され尽くされているSIGMA ARTレンズですが、フィルムでレビューされている例は見たことがありません。探せばあるかもしれませんが、いずれにしてもまれでしょう。フィルム写真を楽しむ方はレンズもその時代背景のもので楽しむ方が多いようです。

デジタル写真用レンズの中でも先鋭化した写りを目指したSIGMA のARTシリーズ単焦点レンズ、フィルム撮影にもなかなか良いと思います。Lomoの粒状感とこのシャープさが良い具合にマッチしています。

 

  • シャープ過ぎるが故の欠点も。MTF曲線は語る。

少し気になったのがSIGMA ARTシリーズ全般に言えるのですが、シャープさ、解像に全振りしたレンズのため、フィルム写真を写す人が求める Bokehの美しさが弱くなっている点です。これはFOVEONで撮影している時も感じた事があります。

50mm F1.4 DG Art MTF曲線

50mm F1.4 DG Art のMTF曲線(絞り開放 F1.4)を見ると、素晴らしい解像度である事が分かりますが、S:放射方向とM:同心円方向の曲線が中心部から少し離れると結構ずれています。このズレはBokehの美しさに表れますので、50mm F1.4 DG Art のBokehは背景によってはざわついた感じになる事があります。

SA-9 / 50mm F1.4 DG Art / Metropolis Tokyo

第1回目に掲示したこの写真に少しその傾向が見られます。

Bokehの綺麗なレンズに比べると少し背景がザワっとしてますね。

とろけるBokehを楽しみたい人やふんわり系の写真を撮りたい場合には向かないレンズかも知れません。

同じカテゴリーの他社のレンズ、例えば銘レンズとして名高い Nikkor 58mm F1.4 G のMTF曲線を見ると、絞り開放の解像度は SIGMA ART よりも落ちますが、S:放射方向とM:同心円方向の曲線が見事に一致しています。流石の魔法Nikkorレンズです。

Nikkor 58mm F1.4 G

ちなみに一眼レフ用レンズで究極のレンズとされた Zeiss Otus 55mm F1.4 はコントラスト値も非常に高くてS方向M方向のズレも小さいという、弩弓MTF曲線です。

www.the-digital-picture.com

 

  • SIGMA Art レンズで撮る LomoChrome Metropolis TOKYO Edition:まとめ

・SA-9/ SA-7 は紫色ファインダーに目をつぶればSAマウントのフィルム機として十分使える(SA-9は1/8000の高速シャッター!)

・シャープなARTレンズとLomoの粒状感で独特の描写。背景を選ぶArtレンズのBokeh。

Lomoの不思議な雰囲気はポートレート向き